北陸人のための金沢・茶屋遊び入門。

2020.06.24

vol. 03

「たけす」ができれば、経済人の仲間入り。

 

お座敷太鼓は、大きな釣太鼓、小さな締太鼓をたたきます。バチは固く握り、スナップを効かせず、ひじから先を固定したまま動かします。

 

挑戦した曲目は『竹に雀(たけにすずめ)』、通称「たけす」でした。「たけす」にはお座敷太鼓の基本が詰まっているそうで、演奏できれば他の曲の演奏にも応用できるのだそう。

 

リズムを口で表現すると、このような感じです。

 

どんどんつくつくどん
おーや※
どんどんつくつくどん
おーや
どんつくどんつくどん、つくつっつ
はっ※
どーつく、どんつくつっつ

 

※掛け声

 

このリズムを繰り返します。

 

 

あらためて動画を見直してみると、途中からすっと入ってくる小千代さんの三味線の響き、いいですよね。

 

Yさんによれば、「たけすができれば、金沢の経済人の仲間入りです」との話。

 

私の後にYさんとKさんもたたきましたが、さすがの腕前でした。

 

不思議と、お座敷でお酒を飲んで、太鼓をたたき、不器用な一面をさらし合えば、気が付くとお互いの距離が縮まっています。

 

ようやく打ち解けた気になれたので、あらためて皆さんにお座敷遊びの流れやルール、マナーについて聞いてみました。

茶屋遊びのお座敷にはピザやサンドイッチが並ぶ夜もある。

 

大坪:それでは、ちょっとここでインタビューをさせていただきます。いきなり素朴な質問なのですが、そもそもお座敷遊びって、どのくらいの時間やるのですか?

 

吉川:だいたい1座敷、2時間から2時間半くらいが多いですね。今日のような19時スタートは割と早めの方で、二次会として20〜21時くらいのスタートが多いです。

 

大坪:繁忙期はあったりするのですか?

 

吉川:繁忙期は1月のお正月ごろです。逆に12月は割と空いています。

 

一番奥が、おかみの弥栄子さん。この日の食事はお酒と簡単なおつまみがメイン。

大坪:食事は、どのようなスタイルになっているのでしょうか?

 

吉川:座敷によって食事を取る場合と、取らない場合とがあります。基本的に金沢のお茶屋では料理をつくって提供はしません。仕出し屋12さんや近隣の飲食店さんに出前を頼みます。ですから、和食に限らず、サンドイッチやピザが並ぶ日もありますよ。

 

大坪:お座敷に、ピザやサンドイッチも出るのですね。ここでまた、ちょっと聞きにくい質問なのですが、やはり茶屋街は全体的に、一見さんはお断りなのでしょうか?

 

吉川:基本的には一見さんはお断りしています。というのも、茶屋遊びの支払いは後日、請求書を送る後払いとなっています。費用はいったん、お茶屋が建て替えます。やはりお金を気にせず、皆さまには優雅に楽しんでいただきたいので。

 

大坪:一見さんの場合は支払いの保証がないので、紹介者が居て初めて利用できるという話なのですね。

 

吉川:とは言え、紹介者は個人の友人に限りません。例えばホテルや料亭、旅館さんからの紹介でもオッケーです。旅の方は、こちらの方が気軽でお勧めかもしれません。

 

小千代:昔はお茶屋さんに限らず、他の業種も後払いが多かったです。何においても、「後ほど」の社会でした。お金に頓着しない姿が美徳でもありましたし、経済がそれぞれの信用で成り立っていたのです。

茶屋遊びの「お会計」システムは?

 

大坪:さらに、すごく聞きづらい質問なのですが、読者の皆さんを代表して、あえてぶしつけにも聞かせていただきます。

 

吉川:はい。

 

大坪:料金は幾らぐらいかかるんでしょうか.?

 

吉川:芸妓さんの人数やお客様の人数にもよるのですが、芸妓さん1人が2時間お座敷に居た場合だと、3万5千円ほどです。

 

大坪:1人あたりですか?

 

吉川:いえ。お客様が10名ほどのご利用だとすれば、席料やお飲み物代で、お1人あたり1万円ほどではないでしょうか。芸妓さんが2人、お客様が10名の場合は、17万円ほどを10名で割るイメージです。

 

大坪:今日のように3名の利用は、一般的でしょうか。

 

吉川:人数としては少ないほうです。藤乃弥だと最大で20名様くらいまで、お座敷に入れます。一番快適な人数はうちの場合、8名様ほどでしょうか。

 

大坪:ものすごく高額なイメージがあったのですが、変な言い方ですけれど、大人数であれば人数で割れるので、普通の人でも楽しめる金額に収まるのですね。

 

ちなみに、こうして一度、私は来させていただきました。これでもう、一見さんではなくなっているのでしょうか?

 

吉川:はい。

 

大坪:あの時、Yさんと一緒にお邪魔した、大坪ですみたいな話を電話ですればいいのでしょうか? 

 

吉川:はい。基本的には電話でうけたまわっておりますが、最近はメールでのご連絡もあります。当日の予約も大丈夫です。昼ぐらいまでにお電話いただいて、空きがあればご対応が可能です。

 

大坪:予約の電話を入れるとき、何を聞かれるのですか?

 

吉川:ご利用の目的、ご利用者の人数、お料理の内容、芸妓さんのリクエストの有無などを確認させていただきます。その上で、見番13に連絡をして、芸妓さんと料理の手配を致します。

 

大坪:お座敷には、何分前から入れるのでしょうか?

 

吉川:大体、30分前に上がれるお茶屋さんが多いと思います。上がったら、芸妓さんとの会話や芸事を気軽に楽しんでいただければと思います。ここまで、いかがですか?

 

大坪:最初はすごく緊張していましたが、芸妓さんのお話とお酒の力、さらには太鼓で、すごく打ち解けられた気がします。

 

(編集部コメント:ちょっとずつ、緊張がほぐれてきましたね。それでは次は第4回。茶屋街にまつわる謎、うわさ、都市伝説についてインタビューは続きます。)

12 料理や弁当などの注文を受け、調理して届けるお店。
13 見番(検番)はお茶屋と置屋の橋渡しをする場所。芸妓のスケジュール管理や事務処理、調整などを一手に引き受けており、建物は芸妓たちのけいこ場としても利用される。

この記事を書いた人

大坪 史弥

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