野菜トマトらーめんの通な食べ方を「8番」本店で学ぶ(永久保存版)

2020.09.16

No. 03

サワークリームは英断

 

―― だいたい半分くらいまで食べました。トッピングのチーズとサワークリームでそろそろ味を変えたいと思います。

 

〈トッピングサワークリーム〉(左)と〈トッピングチーズ〉(右)はそれぞれ別途1皿100円(税込110円)

この段階で昨日私は失敗したんです。サワークリームを先に入れてしまいました。

 

チーズよりもサワークリームは味の変化が大きく、チーズを入れた時の感動が薄れてしまいました。〈野菜トマトらーめん〉の可能性を最大限に引き出す作法を今日は教えてもらいたいです。

 

村中:分かりました。チーズを先に入れる食べ方がお勧めです。でも全部は入れないでください。後のリゾットで使うので大体3分の1くらいは残してください。

 

―― 残しておかなきゃいけなかったのか。

 

 

村中:そうなんです。ラーメン単品で食べるなら全部入れてもいいのですが。残りのチーズはリゾット用のごはんへ先にかけておきましょうか。ライスの熱でチーズが溶けやすくなります。

 

―― 承知しました。

 

〈リゾットライス〉は別途60円(税込66円)

村中:チーズを入れたら溶けるまで少し待ってください。溶けてきたら麺(めん)と絡めてどうぞ。

 

 

 

―― あ、これは背徳的なうまさですね。チーズとトマトと小麦ですもん。合わないわけがない。思わず笑っちゃいますね。

 

トマト味の食べ物は個人的な意見として後半ちょっと飽きてしまう気がしていて。チーズのまろやかさで変化が出るとまた食が進みますね。

 

村中:そうなんです。チーズを楽しんだ後はお好みのタイミングでサワークリームを入れて召し上がってください。

 

―― はい。入れちゃいます。

 

 

よく混ぜましょうか。画的にはちょっと奇麗ではないかもしれませんがおいしさを優先します。

 

 

では、いただきます。

 

 

 

これ、すごいな。脳天に来ますね。サワークリームのコクがスープに加わって今までとは全然違う「うま味」に変わりました。違うメニューを食べているみたいです。

 

トマトとはまた違った酸味も加わりますね。チーズでいったんまろやかになったスープにまたパンチが加わりました。

 

乳製品ならではのもったりとしたコクがあるのに後味はさわやかで、どんどんはしを進めたくなります。

 

トマトにチーズにサワークリームと正直味が渋滞するんじゃないかと思ったんですが、予想を裏切る味です。すごく合いますね。

 

村中:はい、個人的にもサワークリームは大ヒットでしたね。

 

―― このサワークリームはトッピング(1皿100円・税込110円で追加注文可)に今年から加わったんですよね? なかなか大胆な提案だなと思ったのですが。

 

村中:そうなんです。最近の「8番」の味をけん引する安川(やすかわ)という開発メンバーが居まして、サワークリームは安川の提案です。

 

2019年(平成31年/令和元年)から期間限定で販売している〈野菜麻辣(マーラー)らーめん〉の開発も彼女が担当していました。8番らーめんにしては結構辛くてとんがった味なんですよ。

 

野菜麻辣らーめんを発売した時には「8番らーめんが攻めてきた」とSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で言われるくらいでした。でも非常に好評なメニューでした。

 

今までの8番の基本を守りながらも一味違うメニューを考案する。経験や努力に自由な発想を持ち込める素晴らしい人材だと身内ながらに思います。

 

トッピングを追加するにあたり今回もかなり悩んだようですが、サワークリームを見つけた時は「降りてきた」と言っていました。

 

―― すごくクリエイティブな方に特有の言動ですね。あ、厨房(ちゅうぼう)の奥から店長の加藤さんもいらっしゃいました。話に参加してもらいましょう。

 

本店店長の加藤裕也さん

加藤:こんにちは。ようこそおいでくださいました。

 

―― おいしいラーメンをありがとうございます。現場を仕切る立場から見て野菜トマトらーめんの愛され方をどう感じていらっしゃいますか?

 

加藤:野菜トマトらーめんはお客さまから好評でたくさん注文をいただきます。現場から見ているとサワークリームを入れたアイデアは英断だと思いましたね。

 

チーズのトッピングは以前からありました。もちろんこれも好評ではあるのですが、トマトにチーズが合うとは正直想定の範囲内ではあります。

 

しかし、サワークリームの入ったおいしさには感動しました。まかないでも野菜トマトらーめんばかり食べていますね。開発の安川さんはすごいですよ。

 

その日、加藤さんは本当にまかないで野菜トマトらーめんをつくっていた

―― これだけの評判が社内からもあるのですね。安川さんには別の機会でも取材してみたいです。ちょっと企画考えてみます。

 

編集長のコメント:いよいよ次は総仕上げ。通なリゾットの食べ方へと続きます。)

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