Wikipediaに自分で自分を載せちゃった話。自作自演ですみません

2020.08.25

vol. 02

Wikipedia(ウィキペディア)ってなんだ?

 

〈Wikipedia〉に項目を増やす前に、Wikipediaとはそもそも何なのかを整理しなければいけない。

 

ライター・翻訳家・編集者の筆者がWikipediaと聞くと「文章を書く際の参考文献にはできない」と考える。

 

従来の百科事典と違って責任編集制・責任執筆制をWikipediaは採用していない。要するに、その道の「権威的な」学者や専門家が実名を出して書いていない。

 

何かの記述に情報源が示されていないケースもあり、情報源そのものが裏付けを欠いた場合もある。

 

それなりの媒体に記事やコラムを書く際の情報源として、以上の理由からWikipediaは業界的に認められていない。

 

だからといって、従来の紙の百科事典に間違いが含まれていないのかといえば、そうではないらしい。

 

英〈ネイチャー〉誌に掲載された2005年(平成17年)の記事「Internet encyclopaedias go head to head」には、興味深い指摘が掲載されている。

 

科学分野の42項目について英〈エンサクロペディア・ブリタニカ(ブリタニカ百科事典)〉とWikipediaを調べてみたら、間違いの数はそれぞれ123対162だったという。要するに、正確性にはそれほど差がないと分かったのだ。

 

この結果には、ブリタニカの側から猛烈な反発があった。しかし、従来の百科事典の良さも、民主主義的なWikipediaの良さも、等距離で考えられる世代の筆者からすれば「Wikipediaもすごいんだなあ」という心持ちである。

世界有数のインターネットサイト

Wikipediaのホーム画面を画像キャプチャーし挿入

Wikipediaの歴史は、手元にあるAndrew Lih著〈The Wikipedia Revolution〉に詳しい。その本によればWikipediaは2001年(平成13年)の1月にスタートした。

 

Wikipedia本体にもその歴史を教えてもらおう。日本語版Wikipediaで「ウィキペディアの歴史」と検索してみるとさまざまな情報が出てきた。

 

同年1月にスタートしたWikipediaは3月にドイツ語版が生まれ、その後も多言語展開していく。

 

掲載される項目数も右肩上がりで増えていき、2003年(平成15年)には英語版で10万本の記事、ドイツ語版で1万記事を突破する。

 

100の言語版に掲載された記事を合計すると、2004年(平成16年)には総数が100万本以上に達した。

 

2006年(平成18年)には英語版だけで記事数が100万本を超える。

 

創刊から10周年にあたる2011年(平成23年)には英語版だけで380万本以上の記事が書かれるまでになった。

 

英語版・ドイツ語版・フランス語版に次いで、オランダ語版のWikipediaも記事数が100万本以上を突破した。

 

Wikipedia:日本語版の統計より編集部で作成(2020.05現在)

Wikipediaの本体(英語版)が発足した2001年(平成13年)と同年の5月に、日本に関する記事はすでに誕生していたらしい。

 

しかし、ボランティアである書き手(編集者)も少なく、ローマ字表記にしか対応していない当時のWikipediaでは、英語で記事を執筆する必要があった。そのため日本版の発展は限られていた。2002年(平成14年)の日本語での表記対応が日本版Wikipediaの本当のスタートである。

 

2019年(令和元年)10月の時点で日本語版は世界で13番目の記事数を誇る規模となり、2020年(令和2年)4月13日の時点では掲載される項目の数が120万に達した。

東西の横綱の一角

Wikipediaの項目数は言うまでもなく、紙幅に限りのある紙の百科事典をはるかにしのぐ。

 

信ぴょう性の低さ、異なる人同士のエンドレスな編集合戦、項目の偏りなど、マイナス面を指摘する声はある。しかし、日本においては、紙の百科事典の役割をWikipediaがほぼ引き取った印象がある。

 

日本の紙の百科事典と言えば、2007年(平成19年)に平凡社(東京都)が〈世界大百科事典〉の大規模改訂版を出版したくらいだ。

 

児童向けの百科事典であれば2011年(平成23年)にポプラ社(東京都)が〈ポプラディア〉を出している。しかし、日本の紙の百科事典はそれ以来動きが止まっている。

 

一方のWikipediaは、ボランティアの編集者たちによって現在進行形で情報が更新され、新しい項目が今も増え続けている。

 

言い換えれば、百科事典の世界では、絶対的な王者とまでは言えないものの、少なくとも東西の横綱の一角を占めるくらいにWikipediaは大きくなっているのだ。

 

まさに、そのオンライン百科事典の項目に今回は〈HOKUROKU〉を加えてみたい。

 

大坪副編集長のコメント:次は、第3回。いよいよWikipediaに項目を書き足す話です。)

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