富山・石川・福井で考える「コーヒー・タンブラー」のある暮らし。(始まりのメルボルン編)

2020.07.14

No. 02

「コンビニ」でもコーヒーを割引きしてくれる。

 

〈KeepCup〉を譲り受けた筆者はコーヒー・タンブラーのある生活を早速自分でも北陸でスタートさせてみました。しかし早々にある課題にぶつかります。KeepCupを持ち込める場所の選択肢が意外にも身の回りに限られていたのですね。

 

メルボルンのように、あるいは東京や大坂のように、カフェが身近に幾つも存在する都会とは違います。北陸3県で使える場所と言えば〈スターバックス コーヒー〉や〈タリーズコーヒー〉くらいしか思い浮かびません。

 

個人のカフェでも使えるのかもしれませんが、タンブラーを受け付けてくれるお店がすぐには思い付きません。持ち込んで容器の利用をお店に断られたら恥ずかしいです。

 

北陸3県のさまざまな地名と「カフェ」「タンブラー」「マイボトル」などの言葉を組み合わせて身近に使える場所をインターネットでも探してみました。

 

そのリサーチの最中に意外な情報を偶然にも発見しました。身近なコンビニエンスストアのローソンでもマイボトルが持ち込めると知ったのですね。

 

福井市の鷹巣海岸。

福井県の「マイボトル運動」を紹介する県の公式ホームページがきっかけです。

 

日本海に面して長い海岸線を持つ福井県では海岸に漂着するごみが問題視されていて、そのごみは海外からの漂着ごみもあれば、県内の九頭竜川流域から流れてくるごみも多いと言います。

 

要するに国外のみならず県内から出たごみで福井の海岸が汚れているのです。その問題を県民に広く知ってもらうために「マイボトル運動」が立ち上がったのだとか。

 

「マイボトル運動」の協力店にマイボトルを持ち込むとコーヒーが何十円か安くなる仕掛けも用意されています。その経済的メリットを1つのフックに、ごみ問題を考えるきっかけづくりをしているのですね。

 

福井県には協力店が現状で150店舗ほどあり(令和2年1月10日時点)、そのうちの7店は〈スターバックス コーヒー〉、3店は〈タリーズコーヒー〉です。個人のカフェが幾つかその他に名を連ねていました。この辺りは想定内です。

 

しかし114店のローソン〈MACHIcafe〉が「マイボトル運動」には意外にも名を連ねています。何店舗のローソンが福井にあるのかその時点では分かりませんでしたが、114店と言えばほとんど全てのはず。

 

見方を変えればローソンの「コンビニコーヒー」はテークアウト用の容器の持ち込みでどこでも割引が可能になるのかもしれません。

 

そんな話は一度も聞いた覚えがありませんし、身の回りの人に聞いてみても誰も知らなかったので、ドリンク割引について思い切って本社に問い合わせてみました。

ローソンなら10円引き。

 

本社に問い合わせた時点で〈HOKUROKU〉は創刊準備の途中でした。問い合わせの時点で世の中にまだ存在しないメディアからの問い合わせでしたが、担当者は丁寧に回答してくれました。

 

テークアウト用の容器を持ち込めば全国津々浦々のローソンで割引してくれるとの話で、いつごろから始まったサービスなのか聞くと、

 

「カウンターコーヒー〈MACHIcafe(マチカフェ)〉を販売開始した当初(2011年)から割引しています」

 

と回答がありました。認知度が低いのではないかと失礼を承知で率直に質問すると、

 

「店頭でのメニュー表、ホームページでの商品情報では、タンブラーご持参での割引について表示しております」

 

との答えがありました。確かに店舗で確かめてみると、店頭のメニュー表には小さな文字で「割引」の記述があります。

 

 

マイボトルの持ち込み割引を実施しているコンビニエンスストアは執筆時点でローソンだけ。どうして他のコンビニエンスストアに先駆けてこのようなサービスを始めたのかと聞くと、

 

「使い捨てのカップを使用しなければ、環境に配慮できる上にカップのコストが不要になるからです」

 

との話です。環境面に配慮する企業の姿勢もその上で伝えられますから、一挙両得の話なのですね。

「この人は何をしているのだろう」

〈KeepCup〉に入れたMACHIcafeのカフェラテ。

本社に確認を終えるとすぐKeepCupを持って、コーヒーのテークアウトにローソンで挑戦してみました。

 

本社の担当者によれば、持ち込む容器はドリンクが入りきるサイズである限り何でも構わないとの話。

 

「(タンブラーがコーヒーマシンに)適合しない場合、専用のステンレス製のメジャーカップにドリンクを抽出し、その後でタンブラーに移します。従って小さ過ぎる場合を除き、タンブラーの大きさ・形状によるNGはございません」

 

アイスのドリンクについても持参した容器に移し替えてくれるみたいです。

 

ここまで聞いても、正直に言って最初は半信半疑でした。ローソンに誰かが容器を持ち込む姿を見た覚えも一切ありません。

 

それでもコーヒー・タンブラーのある暮らしを夢見て、富山県内のローソンにKeepCupを持ち込んでました。

 

「ホットのカフェオレをください。Sサイズで」

 

とレジカウンターで伝え、

 

「これに入れてください」

 

とKeepCupを差し出します。女性の店員は一瞬、間を置きました。その沈黙が筆者を緊張させます。しかし担当の店員は容器を眺めると、

 

「これ、耐熱ですか?」

 

と聞いてきます。「そうです」と伝えると、手慣れた手付きでマシンからコーヒーをタンブラーに直接入れ、通常よりも10円引きで会計を済ませてくれました。

 

レジの周りに居た順番待ちのお客はこちらを見ていました。「この人は何をしているのだろう」という感じです。

 

 

お店を出てからKeepCupの容器でコーヒーを口にした時、とても豊かな気持ちになれました。

 

失礼を承知で言えば、ローソンのコーヒーは見慣れた・飲み慣れた、ただの「コンビニコーヒー」に過ぎません。

 

しかし容器が変わるだけで口当たりが変わり、手触りや重みも変わるため、値段以上のリッチな気分を満喫できたのです。

 

マンネリ化してしまった日常に新鮮な感動を取り戻すコンテンツづくりは、創刊時のクラウドファンディングでHOKUROKUが掲げた公約でもあります。

 

何気ない工夫によって生まれるこの感動は、持ち運ぶコーヒー・タンブラーでも違いが出てくるはず。北陸らしいタンブラー探しもスタートさせたいと今度は思うようになりました。

 

なにしろKeepCupを譲り受けた時から、オーストラリアやイギリスのまち並みの中で見る時と比べて、KeepCupのカラフルなプロダクトが輝きを失っているように感じてもいました(譲り受けた分際で偉そうな物言いですが)。

 

空やまちの色、人々のファッションがオーストラリアと異なるため、現地とは違う見え方がするからかもしれません。

 

(副編集長のコメント:次は第3回。福井の直面する漂着ごみの問題って何だ?)

ドリンク1杯につき20円引き。
ドリンク1杯につき30円引き。
一部、例外があり。

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