ローカル・WEBマガジン・レポート〈real local 金沢〉編。

2021.06.21

第1回

良質な情報に県境を越えてアクセスできる幸せ。

前書き。

ちょっと前まで情報の収集源は今と大きく違っていました。

 

オールド・メディア(敬意を込めて表現すればレガシー・メディア)が全盛期だったころ、日常的な情報源と言えばテレビ・新聞だったと思います。

 

テレビ・新聞の情報は全国ニュースと地元のニュースで成り立っています。この場合の地元とは県を意味します。

 

地方局は法律の関係から、地方紙は第二次世界大戦中の「一県一紙」統制の名残りから、扱う情報が県域ごとの「縦割り」になっています。

 

その影響がいまだに根強いのかもしれません。

 

〈Yahoo!ニュース〉〈SmartNews〉などで全国の情報を読む時間は別として、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)や〈YouTube〉、ローカル・ウェブメディアで地元の情報を調べる際には、自分の暮らす県の情報ばかり見ていませんか?

 

別に自分で引いた県境でもないのに、目で見て触れるわけでもないのに「スマホ」やパソコンが情報収集の主なツールになった今でも、気が付けば自分の暮らす県だけの情報を手にしようとしている人は少なくないと思います。

 

しかし「線引き」は為政者や行政家にとっての便宜上の都合によって存在しているにすぎません。

 

別に暮らしている人まで普段の生活で誰かの定めた境界線の内側に閉じこもる必要は、移動手段も豊富な現代の場合だと特にないはずです。

 

北陸3県の面積は合計しても長野県や新潟県の単県と大差ありません。山岳地帯も広大で人の生活圏は本来「狭い」のに、窮屈な県境をさらに引いて割拠しているわけです。

 

その上情報まで窮屈な県境に沿って収集していれば、行動や視線はどんどん狭く小さく収まっていきます。

 

せっかく電車や高速道路を使って30分も行けば隣県に行けるくらいの近さが北陸各県にはあるのですから、「県境以上・北陸未満」くらい広域な情報をもっと積極的に取りに行って、行動や発想や目線をもう少し広げてもいいのではないでしょうか。

 

 

しかも地域の情報を扱うローカル・ウェブメディアは、想像以上に選択肢が豊富で魅力的です。

 

運営主体も従来のように「マスコミ業界」の企業だけではありません。

 

不動産と建築を一緒にやっている会社だったり、移住支援の団体だったり、行政と民間の中間的な領域で活躍する組織だったり、個人のインフルエンサーやフリーランスのジャーナリストだったりと多種多様です。

 

それぞれがバックボーンを生かしながら慣習に縛られない形で情報を提供しているため、旧来のメディアとは異なる情報が楽しめるわけです。

 

そこで〈HOKUROKU〉ではローカル・ウェブマガジン・レポートという連載を組んで、北陸にある魅力的なウェブメディア(ウェブマガジン)を紹介したいと思いました。

 

連載の第1回目に登場するウェブメディアは金沢に拠点を置く〈real local 金沢〉です。

 

写真左が小津誠一さん。写真右が編集部員の笠原美緑さん。

有限会社E.N.N.の代表で建築家でもある小津誠一さんがリーダーの一人となって運営するウェブメディアで、京都・東京などの拠点からUターンした小津さんらしい、話題選びと企画の着眼点が魅力的なメディアです。

 

表向きは東京近郊に暮らす移住検討者へ不動産・仕事・人物を紹介するウェブメディアの構えを見せていますが、聞けば地元の読者もかなり多いそうです。

 

金沢であればきっと富山の人も福井の人も繰り返し訪れていると思います。北陸に暮らしている以上、これから先もさまざまな機会に足を運びますよね。

 

その文化都市・金沢の「リアル(日常)」を温度感のある語りで伝えてくれるメディアがreal local 金沢なわけです。

 

全国から注目される豊かな都市がせっかく身近にあるのに、金沢の「リアル」を知らないまま北陸で暮らすなんてすごくもったいないですよね。

 

次回からは代表の小津誠一さんと編集担当の笠原美緑(みのり)さんの働く事務所に訪れて聞いたreal local 金沢の特色をつづります。

 

メディアの存在を知らなかった人は一度ウェブサイトをチェックしてから読み進めてください。

 

金沢(石川)のお隣に暮らしながらほとんど情報が入ってこない福井や富山の人たちには興味深い話題・場所・人物を知る格好の情報源になってくれるはずですよ。

 

real local 金沢

(副編集長のコメント:前置きだけで1話が終わってしまいました。ですが大切な点なのであえて1話分の内容にしました。

 

人間には線が引かれていると無意識に「収まる」習性があると思っています。駐車場と一緒です。

 

見えない「情報の県境」を飛び越え、北陸の暮らしを軽やかに楽しむためのローカル・ウェブ・マガジンレポート、始めます。)

新聞用紙の統制・取締りの容易化を目的として848紙を数えた全国の日刊紙は勅令の下で1942年(昭和17年)に54紙に減少する。その名残が現在の1県に1紙に近い状態につながる。

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