効率のいい「雪かき・雪下ろし」の道具と方法を自衛隊に学ぶ。北陸の人にも移住者にも

2021.01.11

第3回

車に積もった雪の落とし方

撮影:坂本正敬

 

自動車に関連した除雪を今度は紹介します。

 

HOKUROKU編集長の私・坂本が暮らす富山市中心部の駐車場では完全に雪に埋もれた車を放置するケースが目立っています。

 

ちょっと屋外に駐車している間にもこの降雪状況では屋根の上に分厚い雪が積もりますよね。

 

関東で生まれ育った私は北陸に引っ越してきて間もないころ、屋根の雪を乗せたまま信号待ちでブレーキをかけ、すべり落ちてきた雪でフロントガラスが完全に埋まってしまった苦い経験があります。

 

大量の雪がフロントに落ちてきた場合、ワイパーは無力です。雪国暮らしが長い人からすれば常識ですが北陸に引っ越してきたばかりの人は要注意ですね。

 

一方で、雪に慣れた人でも、車の屋根の上から雪を落とす場合は、落とし方に注意が必要かもしれません。思いつくまま好きな方向へ雪を下ろしてしまうと健康上のリスクも豪雪時には高まると言います。

車の上の雪は車体の左右に落とす

動画投稿サイト〈YouTube〉に投稿された自衛隊の動画には「車につもった雪の落とし方」があります。

 

効率と安全を追求する自衛隊には車両に積もった雪の下ろし方にもノウハウがあると言います。要点を言えば、

  • 車の上に積もった雪は車体の左右に落とす

といったルールがあるそう。前に落とせば車を動かす際に進行の妨げになります。これだけの豪雪ですから、後ろに落とせば排気口を除雪した雪がふさいでしまう怖れがあります。

 

排気口が雪に埋もれた状況に気付かず車内に入りエンジンを始動させてしまえば、車を暖めているうちに車内に排気ガスが回ります。最悪の場合、ドライバーが車内で一酸化炭素中毒になってしまう恐れもあるのだとか。

 

撮影:坂本正敬

 

厚生労働省によれば、一酸化炭素中毒の初期症状として前頭部の痛みがあると言います。吐き気・めまい・後頭部の痛み・けいれん・失神がそのうちに起きて最後は死亡します。

 

自動車の立ち往生・孤立が北陸各地でも発生しました。私の暮らす富山市では市内から抜け出す・市内に帰ってくるために6時間以上を費やした人もたくさん居ます。そうなると車内で待機しているうちに自動車が雪に埋もれ排気口がふさがる怖れもあります。

 

車を動かせない状態で車内待機しながらこまめに屋根の上を雪下ろしする場面でも、雪を左右に下ろす・排気口がふさがれていないかを確認するなどの対策が求められます。

 

タイヤハウス内の氷雪はゴムハンマーでたたく

自動車の除雪についてはタイヤ周辺の雪の処理についても補足したいと富山で生まれ育ったHOKUROKU副編集長の大坪が編集の段階で言いました。

 

タイヤハウス(タイヤとボディーのすき間)に雪道の走行では雪や氷が詰まります。

 

放置するとバンパーが破損したり、タイヤに干渉してハンドルやブレーキが効かなくなったり、タイヤハウス内のカバーが外れたりする怖れもあるのだとか。

 

手や足で氷雪を取り除ける場合もありますが100円ショップでも売っているゴムハンマーでたたくと確実です。

 

 

 

スノーブラシ(車のガラス窓や屋根の上の雪を落とす道具)や除雪用のシャベルと一緒に車内に常備しておきたいと、雪のない地域から引っ越してきた私に北陸生まれの副編集長は教えてくれました。

 

言われてみるとタイヤハウスをいつも私は放置していました。トラブルの原因になるともりませんでした。そもそもタイヤとボディーのすき間を「タイヤハウス」と呼ぶとも知りませんでした。何も説明がなければタイヤ専門店の店名と誤解したと思います。

 

タイヤハウスのカバーの脱落についても、手袋の落とし物のように黒いカバーがあちらこちらの道端に落ちています。

 

タイヤハウスのカバーがあの黒い物体の正体だったのですね。

 

信号待ちで立っている私の目の前でカーブを切ろうとした車のタイヤハウスのカバーが外れ「バリバリバリ」と車輪に巻き込まれる現場も今回の豪雪では目撃しました。

 

北陸に最近引っ越してきた人は特に注意したいですね。

 

編集長のコメント:自衛隊式のライフハック情報が次のページも続きます。雪道ドライブで発生しがちな車ガラスの曇り軽減について紹介します。)

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