福井の人気ユーチューバーKazuさんロングインタビュー|地方暮らしの魅力と楽しみ

2022.08.15

第4回

自己肯定感が爆上がり

 

―― 地元を面白がる方法として、尊敬できる先輩を見つける、その人のようになりたいと影響を受けるといった話がありました。

 

できれば、あと2つほど、地方の面白がり方があると構成的にうれしいのですが(笑)

 

Kazu:ちょっと都会へ行って「まじで疲れた」とか言って地元に戻る人たちいるじゃないですか。あれ、いいと思います。

 

―― Uターンという意味ですか?

 

Kazu:はい。言い方に注意が必要ですが、いろいろな技術が地方って遅れているんですよね。

 

都会で並だった人でも地方に戻れば「鬼優秀組」になれます。

 

ほんで、めちゃくちゃ声がかかるんですよ。「きみ、すごいね」とか「ちょっとうち来てくれないか」とか。

 

―― それ、分かります。謎の案件がいろいろ舞い込んでくるんですよね。

 

Kazu:そうそう(笑)

 

で「待て待て」と。「自分、こんなに求められる人間だったのか」と感じるようになって自己肯定感が爆上がりすると思うんですよね。

 

―― 確かに、おっしゃるとおりです。

 

私の場合はIターンなのですが、テレビ番組の制作会社にもともといたので「東京のテレビ業界の人」と私自身も謎にちやほやされました。実際は、何もできないのに。

 

Kazu:動画業界もそうなんですけど、できる人ってやっぱり都会に集中するんですよ。

 

地方ならではの動画をつくる人は最近でこそ増えたんですけど、最初のころは8割・9割くらいが都会、基本は東京で「地方で活動しているユーチューバーいないんじゃね?」という状況でした。

 

基本的には今でも都内が中心です。ゲーム実況者でさえ、都内の方がみんなと交流しやすいからと東京にいます。

 

でも、人が集まれば優秀な人も自然に増えますよね。優秀な人に囲まれていると「自分駄目だなー」となる。

 

 

福井が、地方が駄目だと言っているわけではありません。もちろん競争もあります。

 

ただ、やっぱり都会と比べると楽です。都会で覚えたエクセルのやり方でも、仕事の進め方でも、タスク管理の方法でも福井に持ってくるだけで、大げさに言えば、所属した会社が一気に息を吹き返す可能性もあると思うんですよね。

 

これは確実に、田舎の魅力だと思います。地方の方が一流の人材になりやすいので、スケールの大きな仕事を任されやすいといった楽しさもあると思います。

 

―― 言い換えると一度、北陸を楽しむために都会に出ないと駄目という話にもなりそうですね。

 

Kazu:都会に出て戻ってきてもいいし、都会の技術を定期的に盗みにいく機会をつくってもいい。

 

僕の場合は、所属事務所の付き合いもあるから、超ハイスペックなバディなどから都会の技術や情報も入ってきます。

 

Kazuさんの所属事務所UUUM株式会社のハイスペックなバディ(マネージャー)も東京から遠隔で取材に参加した

 

その意味で、都会に出た経験が僕自身には一度もないものの、出戻り組みたいな形にはなっていると思います。

 

―― 故郷を離れて戻ってきた人の方が地元の良さを客観的に評価できるので、地方暮らしを面白がっている印象が確かに強いです。

 

ちょっと乱暴に言ってしまえば、地方がつまらないと思うなら憧れに任せて都会に一度引っ越してしまった方がいいのかもしれませんね。

 

大都会の暮らしも思ったほどキラキラしていないと分かりますし、地方の暮らしの魅力も見直せます。

 

Kazu:今日、取材に来てくださったHOKUROKUの皆さんはもともと、富山の方なんですか?

 

―― 私は、15年くらい前に埼玉から富山へ引っ越してきました。

 

ドライバーのHくんは富山、フォトグラファーの藤森さんは石川の人です。

 

Kazu:石川は、レベルが段違いですが、福井から見ると富山も、ちょっと上に感じるんですよね。

 

―― ちょっと上ですか?

 

Kazu:やっぱり、なんか違うなー。だって「コストコ」あるしアウトレットもある。

 

―― どちらも動画がつくれそうな場所ですね。

 

実際に、動画をつくりに来られる時はご一報ください。知り合いの大学生が「コストコ」でアルバイトしています。で、たぶん、Kazuさんのファンです。

 

Kazu:分かりました(笑)

 

大坪副編集長のコメント:都会で忙殺され、地元に帰ろうかと悩む人も少なくないかと思います。そんな人たちにKazuさんの話を伝えてあげたくなります。

 

次回は最終回。地元を面白く過ごす方法3つ目をお届けします。)

Kazuさんの所属事務所であるUUUMではクリエイターのマネジメント担当者を「マネージャー」ではなく「バディ(相棒)」と呼ぶ

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