ふーぽにかかれば面白くなる
―― 最後に、この先〈ふーぽ〉はどのような展開を考えているのか教えてもらえますか?
堀:気軽に読める生活情報がある一方で、いつ見ても楽しめる・普遍性のある記事のストックがふーぽにはあると言いました。
しかし、後から次々と機能を足していったので、サイトの整理と改修が一度必要だと感じています。本当に忙しすぎてできていないので。
―― コンテンツとしてはどうでしょうか?
堀:もっと充実させたい分野は観光系の記事でしょうか。
新幹線の延伸に向けて福井は盛り上がっています。
福井駅周辺の開発の様子
延伸にともない、県外の人が福井について検索する機会は増えると思います。
観光局の観光サイトとはちょっと違う、ふーぽ的な視点で情報を用意できたらと思っています。
―― 営業の立場からはどうでしょう?
木曽:もともとは、各企業さんから広告を取るメディアとしてスタートしたと冒頭で話がありました。いわば、記事広告です。
僕が来てからは、観光連盟とか観光局とのコラボを目指して、この2年で実績が結構積み重ねられました。
先ほどの新幹線の話で言えば、県外の人が知らない、県内の人でも実は知らない情報を、企業や行政の観光課とコラボして伝えていく機会も増えていくと考えられます。
「こんな企業の情報、どうやって記事にするの?」という案件も出てくるかもしれません。
そんな中でも、ふーぽにかかれば面白くなるというか、見せ方・伝える角度をうまくミックスして、クライアントの「伝えたい」とユーザーの「知りたい」を合致させる仕事を、もっと突き詰めていきたいです。
堀:うまいこと言うなあ。俺が言ったことにできないですかね。
―― まだ挽回できますけど。補足しますか?
三村:大とりでお願いします。
堀:そうだなあ。
(堀さんは考え込む)
企業として考えると、ふーぽは1つの事業にすぎません。
とはいえ、中に居るメンバーは仕事の枠を超えてサイトを愛しているというか、育てたいと思ってくれています。
会社としては本当は良くないのだけれど、夜中になっても作業しているメンバーの姿を見ると、ふーぽを愛してくれているなあと感じます。
ふーぽの一番の魅力は、このつくり手の愛と情熱なんじゃないかなと思います。
こんなところでいいですか?
堀:あれ、ちゃぷんとも響いていない。
(一同、笑う)
―― いえいえ、ありがとうございます。しっかり頂きました。
最後に、個人的な感想を伝えさせてください。
「もっとメジャーに」という掛け声を上げるのであれば、福井県という県境にこだわっている限り、人口も頭打ちなので読者の上限も見えてしまうのではないでしょうか。
福井に限らず石川・富山、反対に、滋賀や京都など関西の一部にも活動のフィールドを拡大した方がいいと思います。
堀:うーん。
(堀さんは頭を悩ませる)
社長としてはこの場で何とも明言しがたいのですが、福井だけにこだわって情報を出しているわけでもありません。
例えば、滋賀県の琵琶湖にある沖島に子どもと一緒に遊びに行った時に、写真をいっぱい取っておいて、後で記事にしました。
「福井から行ける一番近い島」とリードを書いて。おかげさまで全国から読まれています。
福井を拠点に滋賀へ行ったり、石川へ行ったり、それこそ富山へ行ったり。福井と関係している記事はすでに出しています。
三村:富山県美術館で〈デザインあ展〉を見に行った記事も出しましたよね。
堀:そう。福井ではやらないので富山まで見に行くといいよといった切り口です。
福井でとことん読まれるを前提に、周辺地域で読まれる記事もすでに出しているので、どんどん北陸へ広がってもいいなとは確かに思っています。
これからもっと力を入れていくとだけ言っておきましょう。
―― 本日の取材は以上となります。ありがとうございました。
堀:ローカル・WEBマガジン・レポートの続編で、誰か紹介が必要な人が福井に居れば喜んで紹介します。いつでも連絡してください。
―― ありがとうございます。この連載がかなり進んできたら、ウェブメディアのアワードなんかも北陸でつくりたいなあと思っています。
また、その辺の話もあらためてさせてくださいね。今後ともぜひ、よろしくお願いします。
堀:こちらこそ、よろしくお願いします。
一同:ありがとうございました。
(副編集長のコメント:木曽さんの「ふーぽにかかれば面白くなる」の言葉、大事だなと感じます。
この言葉には、伝え方のユニークさだけではなく、人や企業と深く関わる地方メディアだからこそできる異業種コラボといった企画力も含まれていると思います。
「HOKUROKUにかかると面白くなる」と言ってもらえるようなメディアにHOKUROKUもなりたいです。
fu プロダクションの皆さま、ありがとうございました。)
文:坂本正敬
写真:柴佳安
編集:大坪史弥・坂本正敬
編集協力:明石博之・武井靖
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