高浜原発プルサーマル計画を福井県知事が了承。国内初の営業運転へ【25年前の今日の出来事】
福井県高浜町の高浜発電所(高浜原発)3・4号機で行う関西電力(大阪市)のプルサーマル計画について最終的に正式了承すると福井県知事が同社社長に福井県庁で伝えた。
プルサーマル計画とは、混合酸化物(MOX)燃料を原子力発電に再利用する計画。混合酸化物(MOX)燃料とは、商業用原発(軽水炉)で使用した核燃料(濃縮ウラン)からプルトニウムを取り出しウランと混ぜた燃料を意味する。
東京電力の福島第一原子力発電所3号機、柏崎刈羽原子力発電所3号機でも計画が進んでいるが、所定の手続きが全て完了した国内初のケースとなった。
Q.プルサーマル計画って何?
「プルトニウム」を「サーマルリアクター(熱中性子炉)」で再利用するという意味の和製英語。
高速増殖炉の実用化が遅れる中、プルトニウムを利用する核燃料サイクル(ウラン鉱の採掘から濃縮、加工、利用、使用後の再処理、再利用、廃棄までのサイクル)の「確実な」方策として1995年(平成7年)にプルサーマル計画を日本政府が決定して始まった。
安全性の確保、核燃料税の引き上げ、国民的合意などを条件に、高浜発電所でのプルサーマルの導入に1999年(平成11年)福井県知事が県として最終了解した。
しかし同年、製造元のイギリスから輸送された混合酸化物(MOX)燃料のデータに不正が発覚したため国内初稼働は見送りとなる。
さらに、関西電力の美浜発電所(美浜原発)3号機で2004年(平成16年)に事故が起き11人が死傷するなどして実現までに時間を要した。
プルサーマルによる高浜原発3号機の本格運転開始は2011年(平成23年)1月21日と東日本大震災の直前。
高浜原発4号機では、東日本大震災を受けて見送りとなり、震災と同年の定期点検後に運転停止となった。
高浜原発4号機については2016年(平成28年)、約4年7カ月ぶりに起動するも3日目で緊急停止。
翌年の2017年(平成29年)5月にあらためて原子炉を起動し、プルサーマルの営業運転を6月に始めた。
現在、3・4号機共に稼働中である。
参考関電初、高浜原発でプルサーマル/1月にも営業運転 - 四国新聞社
玄海3号、MOX燃料装荷 国内初の本格プルサーマル発電開始へ 11月上旬、調整運転開始予定 九州電、計画表明から5年半 - 原子力産業新聞
核燃料税について - 福井県
越前若狭のふれあい特別号「プルサーマル特集」- 関西電力
高浜発電所3,4号機のプルサーマル計画について - 関西電力
高浜4号機 再稼働 初のプルサーマル発電へ - 日本共産党
関電、高浜原発4号機のプルサーマル発電見合わせへ - 朝日新聞
高浜4号機が再稼動 国内稼動原発は4基に - 科学技術振興機構
関電、高浜4号機再起動。気まぐれな司法に国はどう向き合うか - ニュースイッチ
新・ことば事情 5757「再稼働」 - 道浦俊彦
関電高浜原発4号機が再稼働 1年3カ月ぶり - 日本経済新聞
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