確かなスキルを感じてしまう
福井新聞社
はじめに
月間80万PV(ページビュー)を誇る福井の大人気ポータルサイト〈ふーぽ〉は株式会社fu プロダクション(福井市)が手掛けています。
月間で80万PV(ページビュー)とは、言い換えれば、80万回くらい1カ月で読者にクリックされたりタップされたりしているとの話。
全国区のウェブメディアの場合はその10倍、中には100倍くらいクリックされるケースもありますが、77万人くらいの人が暮らす福井を拠点としたローカル・ウェブメディアとしては大変な数字です。
このふーぽを最初に見掛けた時期はいつごろだったか。
正確には覚えていませんが〈HOKUROKU〉編集長の私・坂本が福井について調べるたびに目にしていて、そのうちはっきり認知するようになった気がします。
パソコンの画面をスクリーンショット
ふーぽに対する毎回の印象は(すごく偉そうに言えば)「このメディアはあなどれないぞ」でした。
一見すると、よくあるお出掛け情報サイトといった感じかもしれません。お出掛け情報サイトは、またまた偉そうに言ってしまえば誰でも(素人でも)つくれます。
お出掛け情報サイトが扱う主な内容は、新しいお店情報だとかイベント情報だとかです。
情報そのものに新しさと引きがあるので、伝え方だとか企画の立ち上げ方に技術と経験がなくてもなんとかなるからですね。
地方のお出掛け情報サイトは特に、情報発信をちょっと「かじった」くらいの人が、地の利を生かして運営しているケースが目立ちます。
しかし、よくあるお出掛け情報サイトに見えてふーぽの場合は、バナー1のデザインなどにプロの仕事を感じますし、読み物についても、親し気な語りの裏側に丁寧な取材と編集の技術が感じられます。
親しみやすくて敷居が低い、明るい笑顔で誰でも歓迎してくれるウェルカムな雰囲気がある一方で、確かなスキルをその根底に感じてしまうわけです。
「いつか会ってみたいなー」
ちょっと調べてみると、fu プロダクションという制作会社がふーぽを運営していると分かりました。
18万部近く発行される福井の雑誌〈月刊fu〉もその会社でつくっていると分かってきます。
要するに、プロがやっていたのですね。
雑誌で18万部とはすさまじい数です。
書店で販売している雑誌と新聞に折り込まれて配布される雑誌(月刊fuは後者)といった違いがあると後で分かったものの、マガジンハウスの〈BRUTUS〉(前者)ですら8~9万部です。私の大好きな文藝春秋〈CREA Traveller〉(前者)は3万部程度。
福井の人に聞くと「福井で知らない人が居ない」くらい月刊fuは有名らしいです。
その制作会社がふーぽもつくっているのであればクオリティの高さにも納得できます。
さらに調べると、どちらの媒体も編集長は堀一心さんという人だと分かりました。
「いつか会ってみたいなー」と片思いが始まりました。
片思いが届いた
堀一心さん
各媒体の編集長であり、fu プロダクションの社長も務める堀さんとはその後、ひょんなご縁から知り合う機会がありました。
いわば、片思いが届いたわけです。
福井在住の有名な小説家に、HOKUROKUのコンテンツづくりで声を掛けたいと思い、その作家を知る人が居ないか探していた時に、共通の知人を通じて堀さんと知り合う機会を得たわけですた。
そのご縁から堀さんには、読点の打ち方を取り上げたHOKUROKUの特集にも登場してもらいました。
堀さんは聞けば、福井新聞の記者としてキャリアをスタートし、タウン誌の出版社に一度は転職するものの、福井新聞社の子会社に戻って月刊fuの大規模リニューアルに携わり、ふーぽを立ち上げた人だと分かります。
そんな堀さんに、福井で大人気のローカルウェブメディアの裏側を教えてもらおうと、福井市郊外にある福井新聞社の7階オフィスに出掛けて、話を聞いてきました。
次回以降は、ふーぽ編集長の堀一心さん、Web企画室の光眞坊(こうしんぼう)まり子さん、編集部員の三村勝重(まさえ)さん、営業企画チーフの木曽智裕さんとのインタビュー風景を紹介します。
左から堀一心さん、光眞坊まり子さん、三村勝重さん、木曽智裕さん
ちなみに取材当日は、ちょうど「コロナ」がまた騒がしくなってきたころでした。大人数で会議室に同席した状況もあって取材はやや密になってしまいました。
しかも、私とフォトグラファーは県境を越えています。
普通なら取材時にマスクを外してもらうのですが、マスクをつけたままで今回は取材を進行しました。
取材相手の表情が見えづらい部分もあると思いますが、ご容赦ください。
(副編集長のコメント:月刊fuは、BRUTUSの約2倍もの発行数があるとは驚きました。
福井県内で最もシェアの大きい福井新聞の土台もあって、圧倒的なリーチや骨太な編集ができているんだろうなと感じました。
とはいえ、ウェブメディアのふーぽ創刊時は本当にゼロからのスタート、右も左も分からない状態だったそう。
次回は、そんな立ち上げ時の話を聞かせてもらいます。)
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