おもしろい人たちとおもしろい活動
そもそも、〈HOKUROKU〉ではどうして北陸各県にある魅力的なウェブメディアを取り上げようとしているのか。
県境に縛られがちな行動と考え方をあの手この手で解きほぐす1つのきっかけとして、「県境を越えて少し目線を広げるだけでこんなにすてきな地域情報にアクセスできるんだよ」と知らせたいからです。
「別に富山で十分じゃない。富山の人がなんで福井を知らなければいけないの?」
と、HOKUROKU創刊早々に富山の人に言われ、その周りにいた人が「確かにー」とうなづいていました。
本当に「富山で十分」なのでしょうか。
全国には47の都道府県があり、富山はその1つです。石川も福井も一緒です。
「北海道はでっかいどう」なので、その並びの中でもけた外れに広い場所だと誰もが知っています。美瑛や十勝などの広大な大地の写真もよく見かけるので、本当に広いんだろうなと感じますよね。
残りの都府県は一方で、多少の違いがあるものの、どこもだいたいは似たような広さだと感じているはずです。
しかし詳細は、次回に公開する没原稿で語るとおり、北海道以外の都府県の広さはかなり違います。富山も石川も福井も全国的に見て面積がすごく小さな県です。北陸3県を合計しても新潟・長野などの単県とほぼ変わらないわけです。
しかも、北陸各県は自然が豊か=森林や河川・湖沼が多く、人の暮らせる土地は限られています。
その狭いエリアを3つに分断しています。それぞれが県境に閉じこもって暮らしているとの統計もあります。
出会う人は自然に似た顔ぶれになり、暮らしの範囲もお出掛け先も限られてきます。
6尺(一畳ほど)しかない病床の上から豊かな世界の変化を感じられる正岡子規くらいの感性があれば問題ないのかもしれません。
しかし、普通の人であれば変化のとぼしい日常にマンネリを感じてしまいますよね。「地元には何もない、都会に行きたい」と若者が感じる一因になっているかもしれません。
認識から行動は始まる
ちょっと目線を広げて自分の地元を「北陸」と考え直せば、ユニークな変化が北陸には日々起きていて、おもしろい人たちが、おもしろい活動をあちらこちらで展開していると気付きます。
まだまだ見ていない絶景・美しいビーチ・離島・おいしいお店・伝統文化や工芸も山ほどあるわけです。
俯瞰(ふかん)すればそれぞれがつながる点も数多くあり、そこかしこにコラボレーションの可能性が見えてきます。
県境を飛び越え取材と活動を続けるHOKUROKUの編集部が何よりその広がりを実感しています。
県境の外に目を向けなければ気づきませんが、北陸の各地に魅力的なウェブメディアもあり、変化に富んだ各地の情報を伝えてくれてもいるのです。
各地のウェブメディアへの入り口をHOKUROKUがつくれば、県境を越えた情報に日常的に触れられる状況を北陸で整えられると思いました。
その具体的な形の1つが「ローカル・WEBマガジン・レポート」なわけです。
第1弾で取り上げたreal local 金沢は、北陸の人たち全員に親しみ深い憧れの金沢情報を、単なる観光情報とは異なる深さで伝えてくれるメディアです。
移住者(移住希望者)に向けて本来は発信されていますが、北陸に暮らす人たちが金沢を知るためにも適したメディアだと感じています。
(副編集長のコメント:HOKUROKUを創刊してから行動範囲が広がりました。「石川」「福井」「富山」「北陸」を〈Twitter〉で頻繁に検索して休みに行く場所を決めていたりします。認識から行動は始まるんだなとよく思っています。)
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