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2024.03.14

No. 29

112カ所以上の事業者調査で能登半島地震後の風評被害の実態をHOKUROKUが明らかに

 

〈週刊SPA!〉から派生した〈bizSPA!フレッシュ〉(本社:東京都港区)と協同で能登半島地震後の風評被害に関する調査を、震災から約1カ月が経過した2月1~7日に〈HOKUROKU〉が実施し、2024年(令和6年)2月10日にbizSPA!フレッシュ上で公開した。

関連:「今すぐ来て」能登地震で北陸事業者7割超が観光客減。2月の資金繰りに不安の声も【独自調査】

調査の対象は、石川・富山県内の計112カ所以上の事業者で回答数は47。

 

調査方法は、旅行雑誌〈るるぶ情報版〉(JTBパブリッシング)石川・富山県版の最新号に掲載された事業者のうち、休業中の事業者を除く112カ所の事業者にアンケートフォームをランダムに送付。

 

プラスして、HOKUROKU編集部内の人的ネットワークを生かし、関係のある事業者に送付した。

 

事業者(回答者)の種類は、飲食店(61.7%)宿泊業(17%)宿泊業・飲食店・娯楽業・旅行業など複数の事業(4.3%)旅行業などその他(17%)。

 

事業所(回答者)の所在地は、石川県内が金沢市・野々市市・中能登町・能登町・加賀市・小松市・輪島市・穴水町・かほく市、富山県内が射水市・富山市・南砺市・氷見市・高岡市・黒部市・魚津市・砺波市となった。

 

調査結果の概要は以下のとおり。

▶回答を得た事業所の被災状況
・被害なし(48.9%)
・一部の損壊(51.1%)
▶震災後の客足の変化
・極めて影響が大きい(55.3%)
・影響が大きい(21.3%)
・さほど影響がない(17%)
・影響がない(6.4%)
▶県外、および県内からの利用客への来県について
・歓迎する(93.6%)
・どちらとも言えない(4.3%)
・やや歓迎できない(2.1%)

震災から1カ月が経過した時点で、能登半島北~中部(休業中の事業者が多いエリア)を除く北陸各地において、7割以上の事業者が深刻な客足減に直面していると判明し、来県者、および地元の人たちの外出を歓迎する声が9割と分かった。

 

調査結果は〈ZIP!〉(日本テレビ系列)など各メディアで紹介され〈北陸応援割〉や北陸新幹線敦賀延伸を控えた北陸への旅行へお墨付きを与える文脈で繰り返し利用された。

 

この調査経験やスキル、人的ネットワークを生かしHOKUROKUでは、外部からの調査依頼の受付も始めた「らしい」。

関連:HOKUROKU(ホクロク)とは(お仕事依頼もこちら)

編集部からのコメント:富山県西部で宿業をやっている私としては非常にありがたいアンケート調査結果です。物理的な被害がなくとも、こうして風評被害に似た体験すると「生かされるも殺されるもマスコミ次第?」なんてことを痛感しました。能登半島に比べると富山県の被害は大したことないという認識(レッテル)から、復興支援対象として扱わない一方で、観光地としては行きづらい地域になっています。東日本大震災でも同じような地域がたくさんあったと聞いています。今後の震災復興対策として、物理的な被害とは別次元で経済的な被害もしっかりと「被災」として位置付けるべきと思いました。明石P

 

私の住む富山県西部の山側でも風評被害で人の流れがほとんどありませんでした。最近になってようやく戻ってきたかなと思われる光景を見てホッとしています。金沢の友人も1~2月は「市内も人気がなくてコロナよりひどい」と言ってました。現地に居ないと分かりづらいかもしれませんが、行政なりメディアなりが大きなエリア区分けではなく、個別の小さなエリアの実情に沿った支援をすることが今後の課題になると思います。武井開発P

 

文・翻訳:坂本正敬

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