こんなの「できる・やる」らしいニュース

2024.04.15

No. 30

地元で愛される九谷焼の体験施設が21年ぶりに全面リニューアル「to-an」として金沢市内で再オープン

 

株式会社enso(金沢市)は4月20日、地元で愛される九谷焼の陶芸工房〈陶庵〉を21年ぶりに全面リニューアルし〈to-an〉としてオープンさせる。

 

そのリニューアルに先駆け、メディアやインフルエンサー向けのプレオープンを4月上旬に同社が実施した(※予約自体は4月4日から可。4月19日までの予約はリニューアル前プラン)。

 

 

年間5,000人以上が来場する人気のアート体験施設〈金沢茶寮〉に続く同社運営の体験型施設で、ドライフラワーが天井一面に飾られていたり、古材でつくったカウンターがあったり、金沢の住宅街に新たなスポットが誕生する。

関連記事:2時間の「山ごもり」ができる体験型アートカフェ〈金沢茶寮〉がひがし茶屋街の奥、卯辰山のふもとでオープン

従来の陶芸教室では、土の成形に特化した体験が主だがto-anでは、成形工程の前後を含めて体験できる。

 

to-anでは、九谷焼を知る、土に触れる・成形する、施釉(せゆう)する(釉薬をかける)、かまに詰める、作品を使うといった成形工程の前後も体験できる

 

体験時間は約75分、体験費用は1名6,600円(税込)、1日3回開催される体験プログラムは全て予約制だ。各回の参加人数は最大3組(定員6名)まで。営業時間は10:30〜16:30となる。

 

 

制作した器は、着彩・焼成・乾燥後に、2カ月程度の期間をおいて自宅に郵送される。

 

作品の郵送時には、ほうじ茶および和紅茶をブレンドしたto-anオリジナルティー、ならびに福光屋(金沢市)の日本酒〈加賀鳶〉など、金沢の雰囲気を楽しめるお土産も同梱される「らしい」。

 

プレオープンに訪れた報道関係者限定で金沢の和菓子と、to-anオリジナルティーが振る舞われた

 

編集部からのコメント:私が、この取材を担当しました。現代において、自分と向き合う時間は貴重です。作品づくりを通して自分と向き合う時間はあっという間でした:武井開発P

 

この取材には、読売新聞の記者も同席していて、to-anを取材するHOKUROKUを読売新聞が取材するというちょっとトリッキーな構図でした。最も鮮やかに残っている当日の記憶は、工房内の頭上に広がる天井一面のドライフラワーです。換気のために少しだけ開けた窓から春の風が吹き込み、天井の草花が揺れている時間もありました。この日、特別にレクチャーしてくれた陶芸作家の吉岡正義さんのジョークも温かくチャーミングで、住宅街の一角なのにto-anだけ完全に異空間でした。金沢駅からちょっと離れていますが駐車場もあるので北陸の人たちは問題なし:S編集長

 

旅行者にとって、訪れたまちの文化に触れる機会は、そのまちを好きになるキッカケを与えくれるはず。しかも、まちの日常に溶け込んだ空間で体験できる価値は、お金をつぎ込んでつくったはりぼて感のある、なんちゃって体験では味わえないです。編集長が「異空間」と表していますが確かに、ものすごく計算されて完成した場づくりなのではと感じます。その場の空気、僕も感じてみたいです:明石P

 

 

文:武井靖
写真・翻訳:坂本正敬

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