県境にとらわれず人と物が行き交う暮らし
四津川製作所がオープンさせた古民家「リノベ」の宿〈金ノ三寸〉に展示される四津川製作所の商品
〈北陸目録〉は本格的な公開が始まると、〈HOKUROKU〉のトップページの下の方に「売り場」が出てきます。
「下の方」とは、ページを開いて、ファーストビュー(最初に目に留まる部分)に出てくる写真のはるか下を意味します。
パソコンではスクロールして、「スマホ」ではフリックして、ファーストビューから下の方に目を向けてください。※あくまでも公開後の話です。この記事が公開された時点で、まだHOKUROKUの画面上に北陸目録は用意されていません。
まず、「新着記事」のサムネイルがあります。さらにその下には、「特集一覧」が並んでいます。
北陸目録にたどり着くためには、もっと下へ行ってください。
「過去の特集(カテゴリ別)」を通過し、「マガジン・プログラム(連載)」も素通りして、Mariko Noguchiさんのすてきなイラストが印象的な「たまり場」もスルーしてください。
最後に「つくっている人たち」というコーナーがあります。この「たまり場」と「つくっている人たち」の間に、(本格的な公開後は)市松模様をデザインのベースにした北陸目録が出てきます。
「市松模様って何だっけ?」という人は、〈鬼滅の刃〉の主人公が着ている羽織のデザインを思い浮かべてください。
北陸目録では、市松模様で商品の写真が並び、隣に商品名とちょっとした副題が表示されます。
〈北陸目録〉の開発画面。掲載されている商品写真は全てサンプル画像
ただ、これはある程度、商品点数がたまってきた上での話。最初は繰り返しになりますが、1点しか商品を扱いません。
1点では、市松模様を描けませんので、当面は商品写真をHOKUROKUのトップページのファーストビュー(特集のカバー写真がいろいろ並んでいる場所)に掲載します。
「なんの特集を読もうかなー」トップページを見ている時に商品の写真が目に留まったら、クリックしてみてください。HOKUROKUの読み物風に仕立てた、商品の詳しい紹介ページが立ち上がります。
取材するアイテムはおもしろく、つくった人も魅力的
クリック後に立ち上がる紹介ページの制作を率いる者として、早速先日、第1弾商品の取材を終えてきました。掛け値なしに言って、明るい未来を感じました。
第1話で紹介した北陸目録の商品選定フローを継続するならば、理論上、取材するアイテムは常におもしろく、つくった人も同じくらい魅力的になるわけです。
素晴らしい人や物との出会い(出合い)は、母体であるHOKUROKUでの新しい特集の「苗床」にもなります。
そもそもHOKUROKUのような新参メディアが、一歩も二歩も踏み込んだ特集づくりにチャレンジできる理由は、運営メンバーそれぞれが北陸で育んできた、地に足の付く人間関係があってこそです。
北陸目録を通じて、同じ北陸に暮らすつくり手と出会い、仲良くなれば、また双方にとって楽しい未来が待っているはずです。その楽しい未来は、結果として北陸に暮らす多くの人たちにも波及していきます。
北陸目録の取材の様子
もちろん、北陸目録の狙いを四角四面に説明すれば、第1話でも紹介したキャッシュポイントの話があり、回遊性の向上も挙げられます。
ウェブメディアとEC(電子商取引)サイトを別々のページとして用意するのではなく、あくまでもHOKUROKUの一部に埋め込む形にして、しかもページの下の方に置くわけです。
エスカレーターの上りと下りのつながりをちぐはぐにして、店内を買い回ってもらう百貨店と同じ発想で、買い物に訪れてくれた人がHOKUROKUを知り、HOKUROKUを読みに来てくれた人が北陸目録で北陸の違った魅力を知るといった状況が期待できるわけです。
しかし、北陸目録がもたらす最大の可能性は、北陸3県における新たな人と物との出会い(出合い)だと、第1弾商品の取材を終えて確信しました。
まだまだ富山に偏りがちな編集部のつながりが、北陸目録を通じて北陸3県の隅々にまで広がっていけば、県境にとらわれずに自由に人と物が行き交う暮らしも、巡り巡ってまた一歩近付くような気がします。
(副編集長コメント:北陸目録はECサイトというより、雑誌の体験に近いのかもしれません。ぱらぱらとページをめくり、気になる見出しや写真に手を止め、文章を読み込む。
オンラインショッピングは、お目当ての商品探しには便利です。しかし、思いも寄らない掘り出し物と出合うチャンスは意外と少ないです。
北陸目録においては、オンラインショッピングでは体験しにくい、人と物との偶然の出合いを届けたいと思っています。
次回は、北陸目録の未来と、記念すべき最初の商品について。)
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