工芸用語と英単語を学ぶ〈北陸工芸鑑〉

2024.07.15

第3回

陶器【とうき】とは英語でpottery【pάṭəri】その語源は「ポット」

陶器【とうき】
Pottery【pάṭəri】
Ceramic【sərˈæmɪk】
Stoneware【ˈstoˌnwɛr】(主にアメリカで。本来は炻器の意味)

土器を進歩させた焼き物。陶芸の分類の1つ。「陶磁器」のうちの陶器に該当。陶土と呼ばれる粘土に器などの形を与え、約800℃〜1200℃で焼く。

 

素地(きじ)が十分に焼き締まらず吸水性が残るため、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を表面に掛ける。磁器に比べ、柔らかさや温かさを一般により感じさせる。北陸の伝統的な産地は越中瀬戸焼・珠洲焼・越前焼。

 

Potteryの語源は「pot」から。深くて丸い容器(pot)をつくる人をpotterと呼ぶようになり、potをつくる人(potter)の作業場、ひいては作品・仕事をpotteryと呼ぶようになった。

 

ただし、ろくろを使って焼き物をつくる作業者というイメージがpotterにはあるため、美的価値を備えた工芸の世界において陶器の訳語をpotteryとする考え方には疑問の声もある。

 

Ceramicは、陶磁器全体を意味する総称。「成形して焼いた粘土の焼き物」などの意味は1850年代から使用が確認されている。

 

ファインセラミックス(天然原料から製造する従来のセラミックスを改良して生まれた高性能・高機能のニューセラミックス)の略語として使われる「セラミックス」とは異なる。

 

本来は「炻器(せっき)」の意味であるstonewareがアメリカでは陶器を含む言葉として誤って定着している。

 

Wareとは「商品・売り物・~焼き」の意味。Wedgewood ware「ウェッジウッド焼き」など。

参考:〈「工芸」英訳ガイドライン〉( ザ・クリエイション・オブ・ジャパン)

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