北陸に伝わる怪談話。金沢の「子育て幽霊」編。

通い慣れた道も日没に通ると印象の違いが大きくなるように、見慣れたまちの風景も迷信的な物語を通じて眺め直すと見え方が変わります。

 

富山・石川・福井の中でも特に石川の金沢では、地元の怪談話を知ると新鮮な奥行きが景色に見えてくるのではないでしょうか。

 

第2次世界大戦の空爆を免れ、妖怪・幽霊・鬼・化けきつね・化けたぬきの存在が本気で信じられた、江戸時代の空気がどこか漂う土地だからかもしれません。

 

1726年(享保11年)から1727年(享保12年)に加賀藩の下級武士・森田小兵衛盛昌(もりまさ)がまとめた〈咄随筆(はなしずいひつ)〉に初見される怪談話・子育て幽霊譚(たん)を今回は紹介します。

 

圧倒的な知名度を金沢の人には誇るものの同じ北陸でも福井や富山の人には知られていないはず。

 

金沢の寺院群に現存する幾つかのお寺が怪談話の舞台です。金沢に訪れた際にはゆかりの地を心静かに訪れてみてください。

 

路地裏から異界の何かが出てきそうな金沢特有の雰囲気で厳しい残暑も忘れられるはずですよ。

 

HOKUROKU編集長・坂本正敬