福井の人気ユーチューバーKazuさんに聞く。「地方暮らし」の幸せと楽しみ方

2022.08.12

第1回

富山で電柱に上っていました

前書き

人気動画クリエイターでありトップユーチューバーの1人でもあるKazuさんは福井の人です。

 

「それだけで福井ってすごいですよね」と〈HOKUROKU〉編集長の私・坂本などは思いますが、福井在住ではない、あるいは普段から〈YouTube〉を熱心に見ない人の中には、知らない人も居るはずです。

 

そこで、Kazuさんがどれだけすごいのか、ちょっとだけ冒頭で書いておきます。

 

Kazuさんファンにはおなじみのホンダ社〈N-VAN〉と事務所前で

 

YouTube上に公開される〈カズチャンネル/Kazu Channel〉の登録者数は187万人、動画クリエイターの大手事務所UUUM株式会社(東京)に初期から在籍し、スターユーチューバーの1人として、国内の「好きなYouTuberランキング」では上位常連の人でもあります。

 

今回の取材で一緒に行動したメンバーたちの中にもファンが多く居ました。富山・福井の往復で運転を担当してくれたドライバーからは、

 

「あのカズさんですよね?」

 

と、取材前に疑わしく念を押されたくらい。

 

そんな動画クリエイターのKazuさんに、地方の面白がり方について、HOKUROKUで取材させてもらいました。

 

Kazuさんの事務所と自宅の間にある中庭

 

Kazuさんの自宅と事務所の間にある中庭が今回の取材場所です。

 

風通りも素晴らしいその中庭からは、家屋や事務所の1階にあるガレージが見通せて、たくさんの遊び道具やDIYツール、運転席の天井が高さ3mにも届きそうな除雪車などが見えました。

 

 

きっとどれも、動画制作の「大道具・小道具」の数々です。

 

いかにも、ユーチューバーの自宅兼事務所っぽい空間で、身を置いていると、Kazuさんの動画づくりにおける「書割」の一部に自分が組み込まれてしまうような気になります。

 

そんな中で、インタビューがスタートしました。

 

ガレージには、トレーニングマシーンや開発中の巨大テレビなども置いてあった

 

目次ページでも書きましたが、Kazuさんとはどんな人なのかを最初はおさらいます。もちろん、ファンの方でも、Kazuさんの知らない一面を新たに知れるはず。

 

Kazuさんが手掛けた和来-waku-についての話を経て、後半からは、Kazuさん流の地方の面白がり方を教えてもらいました。

 

尻上がりにお役立ち度は増していき、「面白かった」と最後はなります。キーワードは「尊敬できる先輩」だとか「地方に戻れば鬼優秀組」だとか「親を頼って夢を追う」だとか。

 

最後までぜひ読み通してみてくださいね。

「あんちゃん、見てるよ」と70代にも言われる特殊なユーチューバー

 

―― はじめまして。

 

富山を拠点に北陸3県の情報を再編集して発信するHOKUROKU編集長の坂本と申します。

 

トップユーチューバーの1人であるKazuさんに取材させてもらえて大変光栄です。

 

Kazu:いえいえ。

 

―― 今日の話のテーマは「地方の面白がり方」です。

 

私たちHOKUROKUでは「マンネリ化した北陸の日常にドキドキとワクワクを取り戻す」ための情報発信を目標としています。

 

Kazuさんがリリースしたオリジナルアウトドアブランド和来-waku-のコンセプトにも「地元でもワクワクできる・面白い企画ができると体現したい」「和+未来で、ワクワクする未来を人の『和』でつくっていく」といった言葉が並んでいます。

 

動画を見ていない人からするとピンと来ないかもしれませんが、福井の暮らしを誰よりも楽しんでいる(ように見受けられる)Kazuさんと、動画づくりやアウトドアブランドづくりを題材に、北陸の暮らしについて話せば、「地元がつまらない」と半ば諦めている人への参考にもなる心構えや考え方が聞けるのではないか。

 

若者の人口が流失し続ける北陸の問題にも何か一石を投じられるのではないか。

 

そんな風に感じて、今日は声を掛けさせてもらいました。

 

Kazu:そんなに流失していますか?

 

―― はい。少なくとも富山は、若い女性の人口流失が特に目立っているみたいなデータを、最近ある人に見せられました。

 

福井も似たような状況なのではないでしょうか。

 

だからこそ、地方の楽しみ方・面白がり方について、Kazuさんの考えを聞かせてもらえればと思います。

 

Kazu:分かりやすい説明ですね。なんか話せそうです。

 

―― とはいえ、トップユーチューバーの1人であるKazuさんを知らない人も、きっと居るはずです。

 

そこで、Kazuさんの人となりというか、これまでの歴史をまずは簡単におさらいさせてください。

 

 

Kazuさんは、有名ユーチューバーの中でもきっと最古参の方ですよね。ユーチューバーがまだまだ社会的に認知されていない時代からやってきたと言うか。

 

そもそも論として、どうしてユーチューバーになったのでしょうか?

 

昔から、人前に出て誰かを楽しませるといった子どもだったのですか?

 

Kazu:いや、そうじゃなかったんですよね。小中高を通じて学校時代は目立つ側じゃなかったです。中学の先生も、人前に出て動画を僕が配信するなんて信じられないと言います。

 

リーダーとかそういう柄でもなく、運動神経も悪かったし、勉強もできませんでした。ちゃんと平均より下を歩んで、真面目だけが取りえでした(笑)

 

―― でも、こうして、よどみなくお話されるじゃないですか。

 

Kazu:YouTubeも話す練習で始めたんですよね。

 

しゃべれなくて、しゃべれなくて。大人になっても本当に皆の前でしゃべれなくて、皆の前でしゃべれるようになろうと思って始めました。

 

始めてみると意外に皆さんが応援してくれる、協力してくれると気付き始めて、ここまで来ました。

 

―― なんで、皆さんがこうもKazuさんを応援してくれると思いますか?

 

アウトドアブランド・和来-waku-をつくる際にも「Kazuさんがやるんだったら赤字でもいいから協力する」みたいな業者も出てきたと何かで読みました。

 

Kazu:何ででしょうね。危険性がないっていうのを感じてくれたんじゃないですか。炎上系ではないぞと(笑)

 

あとは、大雪で福井が困った時にふるさと納税したんですよね。

 

―― 2021年(令和3年)1月に福井(日本海側)を襲った大雪の状況や支援を訴えた投稿動画の話ですね。

関連:【災害】現地の人しか知らない大雪の福井の現実。(カズチャンネル/Kazu Channel より)

Kazu:はい。その反響が大きくて、新聞とかテレビとか地元のメディアに取り上げてもらいました。

 

だから、高齢の方にも知ってもらっているんですよね。50代・60代・70代の方々からも、

 

「あんちゃん、見てるよ」

 

と言われる、かなり特殊なユーチューバーだと思います(笑)

めちゃくちゃでかい工場が建った

―― ユーチューバーになる前は会社員だったと何かの記事で読みました。

 

Kazu:そうです。学校を卒業して、電気工事の最大手である北陸電気工事に就職しました。

 

―― 富山に本社がある会社ですか?

 

Kazu:そうです、そうです。北陸の電柱に上っている人の半分くらいは北陸電気工事の人だと思います。

 

山の上にある大学の横に研修所があって、コンビニもない環境で3カ月くらい、電柱に上って富山で研修しました。

 

その会社に1年半ほど在籍した後に、親せきのおじさんがやっているシアタースクリーンの製造会社に入り、そこでようやくネットと触れ合うんですよね。

 

 

今から20年くらい前ですが、すごく早い試みとして、その会社はネット販売していました。楽天もまだ知名度がほとんどなかった時代です。

 

そこで、ネットって面白いんだなと知りました。

 

1年目は、スクリーン製造をちゃんとやっていたのですが、2年目は、ネットに興味が出てきちゃって。

 

いろいろ教えてもらいながら修行して、4~5年で独立し、ウェブ制作会社を立ち上げました。

 

―― ウェブ制作会社では具体的にどのような仕事を手掛けていたのですか?

 

Kazu:企業ホームページです。ちょっとしたコンサル業務も兼ねた物販がメインで、売り上げに応じて自分の報酬が決まるようなビジネスでした。

 

売らないと駄目な環境で、なかなかいい感じで業績も出ました。

 

例えば、お手伝いしたおみそ屋さんでは、ネット販売の物販だけで2倍~2.5倍くらい売り上げが毎年伸びて、めちゃくちゃでかい工場が建ったんですよ。

 

―― それだけ成功した仕事を辞めて、ユーチューバーになるんですよね。

 

始めたきっかけは、何かの家電紹介ビデオをYouTubeで見て、自分も動画をつくりたいと思ったからだとも、どこかの取材記事で読みました。

 

Kazu:そうです。それで、始めてみるとYouTubeが楽しくなってしまいました。

 

 

―― 最初は、再生数が3人だけだったなどと聞きます。

 

Kazu:最初は少なかったですよね。

 

―― その状態で、ウェブ制作会社をいきなり畳んでしまったのですか?

 

Kazu:もちろん、YouTubeで食べられるようになってからです。

 

食べられるようになるともう我慢できない、専念したいと思うようになります。そこで「うちは収入要らんから」と、他の制作会社に仕事を受け渡していきました。

 

―― 仕事を、あげちゃったのですね。

 

Kazu:はい。ですが、先ほどのおみそ屋さんをはじめ、お世話になったクライアントばかりです。

 

「ちゃんと面倒見てあげてね。売り上げが落ちていくのは見たくないし」という思いで、1~2年ほどの時間を引継ぎにじっくりと費やしました。

 

―― こうした成功体験を踏まえてYouTubeに専念されていったのですね。

 

ウェブ制作時代のノウハウはYouTubeづくりにも生かされているのでしょうか。

 

Kazu:それはあるかもしれません。

 

もともとの仕事柄、どうやったら売れるんだろう、どうすれば心に響くんだろうとは、自然に考えちゃっている部分がありますね。

 

副編集長のコメント:アウトドア用品や家電を購入する際、Kazuさんの動画に何度お世話になったか分かりません。

 

そのKazuさんが、私の住んでいる富山の電柱に上っていたかもしれないと思うと、急に近い存在に感じました。

 

次回は、和来-waku-を立ち上げる経緯を聞きます。キーフレーズは「だで、これつくろう」です。)

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