食器・本棚から絵画の飾り方まで。違いを生む「展示と陳列」の正解。

2020.07.02

vol. 04

モダンな印象を直線が生む。

 

――― 直線構成について次は教えてください。

  1. 三角構成
  2. 左右対称(シンメトリー)構成
  3. 左右非対称(アシンメトリー)構成
  4. 直線構成
  5. リピート構成

筧:直線構成では同じ物を一直線に並べます。すっきりとモダンな印象を生む構成で、テーブルの上での展開に適しています。

 

直線構成。単純に同じ物を一直線に並べる。縦と横と斜めは問わない。

今回の例では、グラスの数がそれぞれ偶数しかなかったので仕方なく並べていますが、展示物は基本的に「奇数」が好まれます。1・3・5・7を意識して直線に並べてください。

 

――― 今回のように物が偶数、例えば2つしかない場合はどうすればいいのでしょうか?

 

向かって右手の2個のグラスに注目。前後で重なるように奥行きが強調されている。

筧:その場合は「重なり」の技術を使ってください。「重なり」とは奥行きと言ってもいいです。物が2つ(偶数)の場合は前後で重ねるように奥行きを出して並べます。

商品のバリエーションが多いときのリピート構成。

――― リピート構成についてはいかがでしょうか?

  1. 三角構成
  2. 左右対称(シンメトリー)構成
  3. 左右非対称(アシンメトリー)構成
  4. 直線構成
  5. リピート構成

筧:リピート構成とは、言葉のとおり1つのパターンを繰り返し見せてリズム感や連動性を演出する構成です。

 

――― 1つのパターンとは、今までに出てきた三角構成とか直線構成を含みますか? 

 

言い換えると、三角構成のセットが何個も繰り返し配置されている状況も含むのですか?

 

筧:はい。リピート構成では、一度に多くの物を展示できるので、品ぞろえの多さやカラーバリエーションをアピールする際に有効です。

 

――― まさに、アトリエにある陳列棚のようなイメージですね。直線構成が繰り返されています。

 

リピート構成。紙の商品を大きさでグルーピングし、それぞれのグループを直線構成で配置。その直線構成をさらにリピート(繰り返し)して陳列している。

筧:リピート構成の注意点として、それぞれの物が区別しやすいように、展示スペースが狭くても指1本でも余白は空ける必要があります。そうしないと視認性が落ちてしまいます。

 

――― 並べる順番などはどうでしょう? 例えば、豊富なカラーバリエーションがあるとします。その場合、どのような順番で並べるといいのでしょうか。

 

 

筧:色相環の順番に並べる方法がまずあります。

 

――― 色相環は、左右非対称(アシンメトリー)構成でも出てきましたね。

 

筧:色相環の並びは虹の色の順番と一緒です。色とりどりの物を並べる際には虹の色の並びを意識して並べてください。

 

――― 虹の色の並びを意識するってなんだかすてきな言葉ですね。まあ、順番は覚えていないのですけれど。

 

色(色相)の違いではなく、グラデーションになっている同系色の物を並べる際には、どうすればいいのでしょうか?

 

筧:左右に直線で並べる場合は(左)薄い→(右)濃いで並べてください。左から右に視線が動くからです。

 

壁の展示などで上下に並べる場合は(上)薄い→(下)濃いで並べます。

 

これも視線の動きを意識しています。例えば、雑誌やウェブを見るとき人の視線は「Z」のように左上から右上、左下から右下へと動きますよね。

 

薄い色から濃い色の順番は、薄味から濃い味に移るコース料理と一緒です。始点を薄く終点を濃くしてください。

 

――― 手前から奥に一直線で並べる場合はいかがでしょう?

 

筧:(手前)薄い→(奥)濃いになります。人の視線は手前から奥に動くからです。

 

 

――― ちぐはぐな色の物を並べなければいけない場合も物によってはありますよね。

 

筧:その場合は、寒色系・暖色系・無彩色・淡いトーン・ビビッドなトーンなど、雑多に見える物の中に色の共通点を探り出してグルーピングするとすっきりします。

 

素材についても、ガラス系・テキスタイル系など、種類でグルーピングを意識すると共通点が見えてくるはずです。

 

どうしても色や素材でグルーピングができない場合は用途でグルーピングする手もあります。

 

――― 用途でグルーピングが切り札にあるとはいいですね。色に関する知識が十分でない人にも最後のお助けになってくれそうです。

 

いずれにしても、これで5つの構成が出そろいました。ちょっと賢くなった気分です。

  1. 三角構成
  2. 左右対称(シンメトリー)構成
  3. 左右非対称(アシンメトリー)構成
  4. 直線構成
  5. リピート構成

(副編集長のコメント:法則や方法が数多く出てきました。いきなり全部ではなく、自分の得意なパターンを1つずつ実践していく方がいいかもしれません。

 

次は、いよいよ最終回。人の行動をコントロールする陳列の法則を教えてもらいます。)

白から灰色、黒へと至る系列の色。

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