イナガキヤスト×大木賢。「バズる」写真論。

2020.07.09

第4回

〈Twitter〉と〈Instagram〉には違いを感じます。

 

坂本:「バズる写真」を考える上で投稿先の「媒体」選びは重要なのでしょうか? 言い換えれば〈Twitter〉や〈Instagaram〉などSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)による違いは何かあるのでしょうか?

 

イナガキ:違うと思います。〈Facebook〉の場合は自分の友達しか見ませんから、他のSNSのように「バズる」わけではありません。

 

「バズる」としたらTwitterとInstagramになるはずですが、両者には違いを感じます。

 

坂本:と、言いますと?

 

イナガキ:InstagramのユーザーさんはInstagaramにしか居ない印象があります。例えばInstagramで「Twitterもやっているよ」と言ってもTwitterに飛んできてくれない印象があります。

 

しかしTwitterで「インスタもやっています!」と情報を添えると、TwitterのユーザーさんはInstagramにも飛んでいって「Twitterから来ました!」と見てくれる印象があります。

 

なのでTwitterで「いいね」がもらえたら、Instagramにも上げて一緒に見てもらえるような工夫は心掛けています。

 

 

坂本:投稿内容でSNSの違いによる反応の変化はありますか?

 

イナガキ:あります。例えば最近だと長野県の白馬村の写真です。同じ白馬の写真でもTwitterとInstagramに掲載する写真を分けています。

 

 

Twitterは人が被写体として入っていると、あまり伸びない印象があります。なのでTwitterの場合は意図して人が小さくなるような構図にしています。

 

逆にInstagramでは人物を大きく切り取った写真を選んでいます。

 

 
 
 
 
 
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白馬村にある海外みたいな場所。 . __Feature__ 2020年6月23日 @_photo_japan_ 様、ありがとうございます! 2020年6月23日 @hakubawhitefox 様、ありがとうございます! . Date:2020/06/21 Location:長野県北安曇郡白馬村 Camera: SONY a7III Lens: Lens: FE 135mm F1.8 GM . #長野 #白馬 #白馬村 #岩岳 #hakubamountainharbor #白馬岩岳マウンテンリゾート #旅行 #国内旅行 #日本 #nagano #hakuba #hakubavalley #travel #japan #tokyocameraclub #東京カメラ部 #photoplusme #photo_shorttrip #長野のいいところ #jalan_travel #子供とお出かけ部 #art_of_japan_ #Lovers_Nippon #daily_photo_jpn #team_jp_ #japan_daytime_view #SonyAlpha #instagram

イナガキヤスト(@inagakiyasuto)がシェアした投稿 –

 

あと今は新型コロナウイルス感染症の影響で皆さんが旅行に出られない状況があります。なので先ほどの白馬の投稿のように「海外」の言葉を意図的に入れるようにしています。

僕は基本的に全てのコメントに返信しています。

坂本:投稿する時間帯についてはいかがでしょうか?

 

イナガキ:僕はいつも20:30にアップします。今のところ一番反応のいい時間帯は20:30だと考えています。

 

坂本:曜日についてはどうでしょうか?

 

イナガキ:金曜だけは避けています。金曜日は皆さん忙しいからでしょうか、良くない印象があります。

 

坂本:大木さんはどうでしょうか?

 

大木:僕も時間についてはいろいろ意識していました。曜日は土日で時間はゴールデンタイム、具体的には19~20時くらいに僕の場合は投稿していました。

 

 

坂本:実はあそこに居る〈HOKUROKU〉副編15の大坪は、イナガキさんのアップした閑乗寺公園16の写真と同じ写真を、同じアングルから同じくらいの時間に撮って、オマージュ(敬意を示す行為)としてイナガキさんの投稿に返信しています。

 

大坪:そうなんです。一番の驚きはそんな自分の投稿にイナガキさんはコメントまで入れてくださったのです。

 

坂本:こまめにコメントも書くのですか?

 

イナガキ:はい。基本的に全てのコメントに返信しています。コメントをもらえるとやっぱりうれしいので、できる限りコメントを返すようにしています。

 

「バズらない」時は問題ないのですが「バズったら」コメント作業は大変なボリュームになります(笑)

正解を出す早さ。

坂本:お話を聞いていると、もはやプロのように作業していますよね。受け手が何を喜ぶか・何を期待しているかを研究して、効果的な時間と媒体を選んで作品を提供していく。

 

素朴な疑問なのですが、イナガキさんはプロにはならないのですか?

 

イナガキ:光栄にも現状で幾つか撮影のご依頼はいただいておりますが、プロになりたいとは思わないです。

 

坂本:どうしてでしょうか?

 

イナガキ:依頼されて撮る写真と楽しいと思って撮る写真は違うからです。

 

対談後の撮影会の様子。

知り合いの結婚式の撮影を依頼された日があったのですが、撮り直しがきかない責任感ですごく緊張しました。あらためてプロの方ってすごいなと思いました。それに僕には才能がないので無理です。

 

坂本:この言葉いかがでしょうか? 大木さん。プロの立場として。

 

大木:僕もセンスがないんで(笑)

 

坂本:そんなわけはないですよね(笑)ただ写真をプロとして撮る人にとってのセンスとは何なのですか?

 

大木:正解を出す早さです。

 

対談後の撮影会のセッティング風景。

腕のいい人は例外なく仕事が早いです。「この被写体をこの文脈で撮るのならば、この構図・この撮り方しかない」みたいな正解を探すスピードの早さがプロにとってのセンスだと思います。

 

坂本:先ほど依頼されて撮る写真と、楽しいと思って撮るアマチュアの写真は違うといったイナガキさんの発言がありました。ですがプロの仕事にもプロなりの楽しさがありますよね?

 

大木:もちろん楽しいです。ただアマチュアとプロは楽しさの種類が違うと思います。どちらが上という話ではもちろんありません。

 

アマチュアは撮りたい写真を撮れる楽しさがあって、プロは責任の中でどうやって求められる成果物を出していくか、そのプロセス・道のりに楽しさがあります。

 

あとはクライアントさんから寄せられる案件によって、自分の知らない世界に行ける楽しさもあります。昔から僕は舞台裏が好きでした。そういう関係者しか見られない世界を味わえる点はプロの醍醐味(だいごみ)かなと思います。

 

(編集部コメント:いよいよ次は最終回の第5回。「バズる写真」の罪と罰に続きます。)

15 副編集長の意。

16 富山県南砺市にある公園で、キャンプなどを楽しめる。
http://www.kanjojikouen.com/

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