秋になると、街路樹の紅葉に見とれてしまいます。落ち葉の掃除も含めて秋は、他の季節よりも街路樹を意識する時期だと思いますが、街路樹ってそもそも、何本くらい国内に植えられているのでしょう。

 

国土技術政策総合研究所の2017年(平成29年)の調査によると、高木(樹高3メートル以上)は約670万本、中低木は約1億4100万本となっています。中低木は、日本人の人口よりも多いのですね。

 

都道府県別の高木(樹高3メートル以上)本数ランキングで言えば約107万本で北海道がナンバーワン、中低木(樹高3メートル未満)で言えば約1,466万本で東京都が1位みたいです。

 

「じゃあ、肝心の北陸は?」と言えば次のとおり。

 

高木
石川県(19位)約10万本
富山県(28位)約6万本
福井県(36位)約5万本

 

中低木

石川県(29位)約121万本
富山県(36位)約88万本
福井県(42位)約46万本

 

他の都道府県と比較してしまうと「うーむ」という感じでしょうか。とはいえ、各都道府は広さも違えば、人口も違います。道路の総延長距離も違います。

 

街路樹だけに、道路延長当たりの本数で見た時はどうなるのでしょう。

 

高木(1キロ当たり)
石川県(7位)7.7本
福井県(18位)4.7本
富山県(20位)4.5本

 

中低木(1キロ当たり)
石川県(22位)92.7本
富山県(30位)64.1本
福井県(41位)42.7本

 

高木については、石川県の健闘が目立ちますがそれ以外は、どのように解釈すればいいのでしょう。

 

街路樹は、景観を美しくしたり、生活環境を保全したり、都市に日陰をつくったりと、いろいろな効果があるそうです。

 

土木業界の人に聞いたら街路樹が、歩道と車道の隔たりとなり、自動車の誤った歩道進入を防ぐ役目も果たすと言っていました。

 

とはいえ「とにかく増やせー」という単純な問題ではないらしく、うん億円の街路樹維持管理費が各自治体に発生しています。

 

街路樹が大きくなりすぎると、いろいろな問題も発生するそうで「メリハリ」が大事みたいですね。

 

ちなみに〈HOKUROKU〉の事務所の目の前にはハナミズキの街路樹が植えられていて、季節折々の姿を楽しませてくれています。今は、紅葉の盛り。真っ赤な落ち葉の掃除も楽しいです。

 

目の前にある1本のハナミズキくらいであれば「あなたが指定管理者ですよ」なんて指名されたら喜んで管理しますけれど。そんな人をたくさん募って、街路樹の維持管理費を浮かせるなんて案はないのかしら。

 

統一感に乏しい日本のまちだからこそ、空間に連続性をもたらしてくれる街路樹がいっぱいになればいいなー。

 

今週も、HOKUROKUをよろしくお願いします。

 

編集長・坂本正敬